乳がんについて


乳がんとは

乳がんは乳腺の組織にできたがんで、多くは乳管から発生しますが一部は小葉から発生します。直径1cmになるまでに10~20年かかりますが、その後、2cmになるまでにはわずか1~2年です。2cmまでの大きさで、転移がない状態を「早期乳がん」といいます。

主な症状は「しこり」です。その他、乳房にくぼみやただれができる、左右の乳房の形が非対照になる、乳頭から分泌物が出るなどの症状もあります。進行すると乳房の周りのリンパ節や骨、肺などに転移することがあります。

発生場所

乳がんが発生しやすい場所としては、乳首を中心に乳房を4つに分けると、乳房の外側の上、内側の上、外側の下、内側の下、乳輪付近の順です。

乳がんの統計

罹患者数

乳がんになる女性は増加傾向にあります。
2019年データでは、9万7千人が新たに乳がんと診断(罹患)されており、がんの中で最も多い罹患者数です。これは9人に1人の女性が乳がんになる確率です。

罹患率・死亡率

乳がんは30代後半から増加し始め、40~60代でピークとなり、その後もほとんど減少しません。
死亡率は40代から年齢とともに徐々に増加します。

5年生存率

乳がんで亡くなる方も増加傾向ですが、早期に発見・治療することで、5年生存率は90%以上となっています。

リスク因子

乳がんの発生には、女性ホルモンのエストロゲンが深く関わっていることが知られています。
その他、生活習慣も乳がんのリスクを高めると考えられています。

出産 出産歴がない
初産年齢が遅い(30歳以上)
授乳歴がない
月経 初経年齢が早い(11歳以下)
閉経年齢が遅い(55歳以上)
遺伝 母親や姉妹に乳がんになった人がいる
生活 飲酒・喫煙
閉経後の肥満
運動不足
ホルモン エストロゲンを含む経口避妊薬
閉経後の長期のホルモン補充療法

症状

早期の段階では自覚症状に乏しいとされる乳がんですが、病状の進行とともに症状が現れます。

主な症状
  • しこり
  • 乳房の変形
  • 左右差がある
  • えくぼのようなくぼみ
  • 痛み
  • ひきつれ
  • ただれや湿疹
  • 赤みや腫れ、熱っぽさ
  • 異常な分泌物

早期発見

乳がんは早期に見つかり治療した場合、90%以上は治ります。
大切な命と乳房を守るために、乳がん検診を受けることと、月に一度のセルフチェックが大切です。
セルフチェックでしこりやひきつれ、ただれ、異常な分泌物などが見つかれば、すぐに医療機関を受診しましょう。

セルフチェック

乳がんは自分で発見できるがんです。自分で触って偶然見つかるしこりの大きさは2cm以上と言われていますが、セルフチェックを習慣にすると1cmの大きさにも気づけるようになります。

セルフチェックは、閉経前の方は乳房がやわらかくなる月経終了後1週間~10日の間に、閉経後の方は一定の日にちを決めて、毎月1回行いましょう。

01 みる

方法 確認ポイント
鏡に向かって
  • 両腕を高く上げる
  • 両手をまっすぐにおろす
  • 両腕を腰にあてる
  • くぼみ・ふくらみ
  • ただれ・変色
  • ひきつれ
  • 左右差

02 さわる

方法 確認ポイント
仰向けに寝た姿勢か、入浴時に手に石けんをつけて
  • 3~4本の指をそろえて10円玉大の「の」の字を書きながら確認
  • 脇の下もチェック
  • 乳首を軽くつまみ血液などの異常な分泌物がないか確認
  • 乳房のしこり
  • 脇の下のしこり
  • 乳首からの分泌物

乳がん検診

日本での乳がん検診は「40歳以上の女性を対象に2年に1回のマンモグラフィ」を受けることが推奨されています。
当組合でも乳がん検診を実施しています。定期的な検診でがんの早期発見につなげましょう。

マンモグラフィ

  • 乳房専用のX線検査
  • 2枚の板の間に乳房を挟んで圧迫し、薄く伸ばして撮影
  • 検査時間:5~10分
メリット デメリット
  • 検査の感度(がんをがんと判断できる精度)が80%前後と高い
  • 他の検査では発見しにくい石灰化の乳がんを発見できる
  • X線による被ばくがあり、妊娠中・授乳中は受けられない
  • 乳腺密度が高いと病変が見つかりにくい
  • 痛みを伴う

乳房超音波検査(乳腺エコー)

  • 乳房に超音波をあて、乳腺の状態を調べる検査
  • 検査時間:10~15分
メリット デメリット
  • 乳腺密度が高くても乳腺内の観察可能
  • 被ばくや痛みがなく、手軽に検査ができる
  • 小さなしこりを見つけやすい
  • 石灰化の評価がしづらい
  • がん以外の良性所見も見つかりやすい
  • 精密検査となる可能性が高くなる
  • 施行者の技量に依存する

視触診

  • 医師による目で見て確認する視診と、触って確認する触診
  • 検査時間:数分
メリット デメリット
  • 身体的な負担なし
  • この方法のみによる検診では死亡率を下げる効果がない

※厚生労働省が主催する「がん検診のあり方に関する討論会」および「日本乳癌学会診療ガイドライン」において、乳房視触診は乳がんの早期発見のための有用性が不明であり推奨しないとの見解が示されていることから、健診機関によっては視触診は実施しない場合があります。

結果別の流れ

乳がん検診で異常があれば速やかに医療機関へ受診してください。